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「コンシューマー・アクティベーション・カンパニー」
消費者を行動させる会社と自己紹介するアサツー ディ・ケイ(ADK)は、自らこそが行動的であり、業界再編の動きをリードしてきた。
1999年に旭通信社と第一企画が合併し、アサツー ディ・ケイが誕生。東急エージェンシーを抜いて業界第3位となった。
その前年、旭通信社はイギリスのWPPグループと資本・業務提携を行っており、「国内代理店の合併」「外資系企業との提携」という連続した2つの動きは、その後の広告業界のトレンドとなっていく。
「大手と同じことをしていてもダメ」。旭通信社の創業者である稲垣正夫氏が独自性を重視する方針だったために、ADKもまた、他社にはない機軸を打ち出していった。
強みのアニメ制作からクール・ジャパン海外展開
旭通信社時代から強みとしていたアニメ制作は、ADKとなってからも「ドラえもん」「妖怪人間ベム」「機動戦士ガンダム」など数多くの作品が世に出され、クール・ジャパンの旗印とともに海外へ展開。
そこからさらに、キャラクターを活用した広告戦略や、ライセンスビジネスも手掛けている。
2014年には、バンダイナムコホールディングスら数社と連携し、日本のアニメや関連商品の海外配信・販売のためのサイトを運営する
「株式会社アニメコンソーシアムジャパン」を設立。
「海外向け発信」「コラボレーション」「コンテンツ展開」など、広告業界にとって現在は当たり前となっている施策のなかで、ADKが先鞭をつけたものは枚挙にいとまがない。
2013年の「VISION2020」
2013年の「VISION2020」では「成果貢献型ビジネス」を掲げ、「メディア・ビジネスの競争力強化」「グローバルの拡大」「デジタルビジネスの強化」を長期的戦略の柱としている。
デジタルとマスメディアの融合や、DMP整備などの基盤構築、中国や東南アジアへの進出、WPPグループとの協業による事業基盤拡大などに取り組むと宣言。新しいクラウドサービスや動画マーケティング関連サービスを提供している。
2017年の新卒採用テーマは「ヒジョーシキで行こう」「相棒採用」
消費者の生活行動や購買行動の変化を捉えるには、マーケティング力、
ブランディング力、アイディア力が重要と語るADKは、M&Aで拡大する電通や、手広くソリューション提供をしようとする博報堂とはまた違った独自のパッケージやソリューションを世に打ち出していくのではないだろうか。
ADKが発信するコンテンツや新施策とともに、業界内他社との業務提携をいち早くスタートさせてきた彼らが選ぶ「相棒」にも注目したい。