広告代理店 売上高ランキング(2019年4月)

この記事では、総合広告代理店(統合マーケティングエージェンシー)だけのランキングにとどまらず、近年特に勢力を増しているインターネット広告代理店(デジタルエージェンシー)も含めたランキングをまとめました。
あわせて日本の広告市場についてもまとめていますので、業界の様子を概観しながら動向を把握していきましょう。

 

広告業界の市場規模

電通「2018年 日本の広告費」

株式会社電通発表の「2018年日本の広告費」によれば、日本の総広告費は6兆5300億円でした。
2009年(リーマンショックの翌年)に日本の広告費の目安となる6兆円台を割り込んだものの2014年に6兆円台に戻し、以降は再び6兆円台を維持しています。

電通「2017年 日本の広告費」

広告費がプラスになった主な要因は、インターネット広告市場の成長にあると考えられます。
上記図の推移から読み取れるように、インターネット広告市場の伸びは順調で、単体で1.5兆円を超える市場にまで成長しています。

それに伴い、従来からのマス4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)においてもデジタル化への対応が急速に進められています。

すでに欧米諸国では、インターネット広告がテレビ広告を抜いて1位になっていると言われています。
インターネット広告がなぜそれほどまでに成長しているかと言えば、DSPを用いて秒単位で広告枠取引を行うインターネット広告の仕組みは、一般的な広告と比較して効率よく売り上げを伸ばすことができるからです。
単価が低くても、スピード感を活かして膨大な回数の取引を行うことによって大きな利益を上げることができる仕組みです。

こうしたことから日本においても、インターネット広告市場が今後更に加速度的に盛り上がり、2020年にはテレビ広告費に追いつくとの予想もあります。

広告代理店 最新売上高ランキング

1位は不動の電通。1兆5399億円。

2位博報堂の約1.6倍ですが、これはあくまでも単体での売上高です。

2018年12月に閣議決定された2019年度の日本の国家予算が101兆4564億円ですから、いかに巨大な売り上げを上げている企業かということがわかります。

3位はサイバーエージェント。2018年に引き続き3位にランクインし、その地位は確固たるものとなりつつあります。

以上がベスト3で、長らく3位に位置していたアサツーディ・ケイ(ADK)はサイバーエージェントにその座を譲り、4位となりました。
2018年3月に上場を廃止していますが、5位DACとは約1.7倍の開きがあります。
さらなる業界再編が進んで大きな動きが起こる可能性も否定はできませんが、1~4位までは今後もあまり変化は起こらないでしょう。

また上述の通り、インターネット広告の成長に伴って、ランクインする企業にも変化が表れています。
直近のランキングではインターネット系の広告会社4社がベスト10にランクイン(サイバーエージェント、DAC、アイレップ、オプト)しています。
中でもサイバーエージェントは圧倒的な強さを発揮しており、インターネット広告領域においては他の追随を許さない、電通や博報堂ですら追いつくことが難しいほどの大幅な成長を遂げています、

各社とも売上を伸ばす傾向にあり、またランキング外でもインターネット系の会社は売上を伸ばしています。
その一方、総合広告代理店に着目してみると、その多くは売上を減額させている状況です。
数年後には、おそらくランキングの半数以上の会社がインターネットに特化した広告会社になると推測されます。

とは言っても、大手総合広告代理店がこのまま衰退の一途をたどるとは限りません。
今後はインターネットも含めた様々な媒体を複合的に活用することが求められるからです。
インターネット広告領域に限ってみれば専門代理店にはかなわない部分がありますが、総合広告代理店にもまた固有の強みがあると言えるでしょう。

近年は大手総合広告代理店によるインターネット広告代理店の買収、グループ化などの動きも進んでいます。
電通はサイバー・コミュニケーションズをはじめとした国内外の企業を買収、博報堂はDACを子会社化するなど、それぞれの方法でインターネット広告・デジタル領域への対応を進めています。

過去の広告代理店 売上高ランキング(2000年、2018年)

過去のランキングと比較してみると、2018年夏時点でのランキングは2019年と同一の順位です。

ところが、例えば2000年の売上高ランキングと比較してみると、その大きな差異が明らかになります。

2019年と比較すると、売上減少により複数の会社がこの20年弱の間にランキングから消えています。
しかし広告業界では、電通を中心に博報堂およびアサツーディ・ケィの上位3社で全体の売上の40%を占めて業界を牽引する、という構図が2000年当時からわずか1~2年前まで、長期にわたり続いてきました。

ここまで差が開いた要因もまた上述の通り、インターネットの流れに対応した広告代理店が売上を伸ばし、既存のメディアに依存している広告代理店は売上を大きく減少させたことが挙げられます。

最新のランキングではサイバーエージェントが3位に入ってきており、業界シェアが変わってきていることを読み取ることができます。

 

広告業の企業別シェアランキング

参考までに、最新版の売上高に基づいた、トップ10企業の企業別シェアを掲載します。
企業別シェアからは、電通を筆頭に、博報堂、サイバーエージェント、アサツーディ・ケイの上位4社がいかに大きな割合を占めているか、ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

広告代理店 売上ランキングのまとめ

企業の価値は売上高の順位だけで決まるものではありません。
しかし、市場規模や業界での地位を俯瞰して見ることは、長いキャリアの中で転職先を考える貴重な材料になります。
デジマージョブでは、そのような情勢も熟知したキャリアコンサルタントが求職者のご相談に乗らせていただきます。

昨今の転職売り手市場によって、特にインターネット広告を事業の柱にする広告代理店では積極的に採用活動を行う傾向にありますので、ご興味のある方はぜひ、デジマージョブのキャリアコンサルタントにご相談ください。

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