広報(PR)・宣伝の業務とは
自社の理念・戦略に沿って様々な情報を発信する仕事
消費者やメディアに対する社外向けなのか、社内報の作成や社内イベントの実施といった社内向けなのか、またどう発信していくかによって、職種や職務内容が変わってきます。
「情報発信によって企業のブランドイメージを向上させる」という根底のミッションは同じです。
部門としては【社外広報】【社内広報】【IR】【広告/宣伝】などに分けられますが、企業規模や経営方針によってはその全てを1部門或いは1人で担当する場合もあります。
広報(PR)の仕事とは?
広報の仕事は、大きく分けると【社外広報】と【社内広報】の2つがあります。
社外広報
主に自社製品やサービスなどの情報を世の中に発信するためにTVや新聞、雑誌、WEBサイトなどで紹介してもらうために媒体社に働きかけたり、自社サイトやFacebook、TwitterなどのSNSアカウントで告知をしたりする仕事です。広報担当自身がインタビューを受けるなど、企業の“顔”として表舞台に立つこともよくあります。
<社外広報の業務例>
- プレスリリースの作成・配信
- コーポレートサイト運用や企業情報伝達のための資料作成
- 記者会見の実施
- メディアの取材対応
- メディアに対して製品やサービスを説明するメディアキャラバン
- SNSによる情報発信
- 情報漏洩やコンプライアンス違反、クレームなどがあった際の危機管理対応
※企業によっては、株主・投資家に対する情報発信を行うIR:インベスターリレーション業務(株主総会の運営や、投資家への広報活動など)までを社外広報が担うこともあります。
社内広報
一方、社内広報とは、自社内に向けて情報発信をする仕事のことを言います。例えば、各部署の面白い取り組みや小ネタなどを社内ブログにアップしたり、新入社員のプロフィールを社内報に掲載したりなどです。
こうした社内の最新状況やイベントを社員たちに共有することで、希薄になりがちな部署間のコミュニケーションを活性化させ、企業としての一体感を生み出すことに一役買っているのです。
また、対社外的な取り組みを社内に共有することで、社員への法令順守への啓蒙や教育、広報に対する意識向上を行う役割も担っています。
<社内広報の業務例>
- 社内報の作成
- 広報活動のメルマガ配信
- 社内ブログやSNSでの情報発信
- 企業活動の把握・情報収集
- 社内イベントの企画・運営
- 経営陣やマネジメント陣との情報共有
宣伝の仕事とは?
宣伝は、企業が世の中や消費者に向けて告知したい情報を、TV・新聞・雑誌・ラジオ・WEBサイト・看板・チラシなどを使って「広告」という形で発信する仕事です。
広告戦略を立案し、広告予算計画を立て、広告代理店への窓口となってディレクションも行います。
広報が主に無料(ノンペイド・パブリシティ)でメディアに取り上げてもらう情報発信であるのに対し、宣伝は出稿という形でメディアの有料の広告枠を購入して掲載するのが一般的です。
出稿後は広告の効果を検証し、PDCAサイクルを回します。
<宣伝の業務例>
- 広告枠購入の予算計画
- 掲載メディアの策定
- どのような体裁で掲載するかの企画プランニング
- 掲載枠の制作業務一式
- 広告効果の検証
- 展示施設の管理・運営
- イベントやビジネスショーの企画・運営
広報(PR)・宣伝はどんな人に向いているの?
まず、企業のフィロソフィーやビジョン、製品・サービスのコンセプトなどを充分に理解した上で、その本質を変えずにイメージを分かりやすくアウトプットできる人に向いています。
また、社内外の多くの人と関わる役割であり、重要な情報を各方面に伝えるミッションを持っているので、周囲の人を巻き込みながらリードする力、必要な情報を正確に捉える力、臨機応変な対応力、プレゼン能力の高さなども求められるでしょう。さらに、企業の“顔”としてメディアリレーションやSNS対応も任されるケースもあるので、深いメディアリテラシーはもちろん、細やかな気配り力も必要となります。
一方、広報(PR)や宣伝担当者が携わるのは表舞台の華やかな仕事だけではありません。
自社の製品・サービスがより売上につながるために、絶えることなく業界動向や市場環境の変化、消費者・生活者のニーズなどをキャッチアップし続ける必要があり、情報収集だけでなく、資料精査・数値の分析管理といった地味な作業もたくさん発生します。
また、日頃より広告会社や媒体社と良い関係を構築しておくこと求められます。もしすぐに結果が出ない環境でも、努力を継続して積み重ねられる人が活躍するチャンスを得られるでしょう。
まとめ
多岐に渡る情報を収集し発信する広報(PR)や宣伝は、直接的に売上や利益を作り出す職業ではありません。
しかしながら、企業の認知度やブランドイメージなどを向上させ、売上拡大に繋げるという大きな役割を担っています。
そのため、コミュニケーション能力と処理能力のどちらもを兼ね備えていなければならないのです。
また、今後は益々デジタル環境での情報発信がカギとなっていくことが予想されるため、文章力・デザインセンスといった表現力、クリエイティブスキルがこれまでより一層求められるようになるでしょう。