CRM(Customer Relationship Management) =顧客維持戦略

(1)CRM(Customer Relationship Management) の仕事とは

顧客との継続的な関係性を築き上げ、企業の収益向上を図る!

CRMとは、顧客との関係性を継続的に築き、その結果として顧客満足度や自社利益、更には企業価値を向上させていくマーケティング手法のことです。具体的には、店舗・直接営業・代理店・電話・インターネットなど様々な販売チャネルを通じた顧客コンタクトや取引の履歴情報を一括管理し、個々の顧客に最適な対応を実現することで、密接なリレーションシップを構築していくことがミッションです。
例えば、顧客がコールセンターに1度でも問い合わせれば、その後は誰が電話口に出ても状況を全て把握し、営業担当者が機敏に引き継げる仕組みづくりなどを考案します。更には、顧客にタイムリーにマッチする商品を薦めたり、取引状況に応じて顧客の希望に沿うようなサービスの提案なども行います。
このようなことを実現するには、企業の各部門に散在する顧客データベースを一元化し、顧客に関する全チャネルを通じた接触履歴と取引履歴を常に管理しなければいけません。管理したデータベースを基に、個々の顧客ニーズや特性に即した対応を実施できれば顧客満足度も高まり、結果として、優良顧客の数が増え、企業の収益性が向上していくのです。一度でもクライアント企業のサービスを利用したことがある潜在顧客を「お得意様」にする「顧客維持戦略」こそが、CRMのミッションなのです。

CRM本来のミッションは人の意識を変えること!

CRMはシステム導入のみを目的とした仕事でもなければ、特定部門やチャネルに対して限定的・場当たり的に取り組むものでもありません。CRM本来の目的は組織的・継続的な取り組みに他ならず、最終的には「人の意識を変える」取り組みを目指していくことです。このようなミッションを実現させるためには次のようなことが求められます。
(1)顧客理解
(2)サービスの仕立て
(3)顧客とサービスの接点を作り出す
(4)顧客視点でサービスを考察する
(5)関係会社や業者とのチーム力を高める

このような一連の活動をタイムリー、かつ状況に応じながら、新しいソリューションを生み出していくのです。

(2) CRM(Customer Relationship Management) の年収はどれくらい?

年収:600万円以上
IT業界の中でも高い専門性や深い業務知識が必要とされる職業なので、比較的高い年収が見込まれます。

(3)求められるスキル

IT関連の最新情報は英語で発信されるケースがほとんど

CRMに求められるスキルは顧客を良く理解する、顧客理解力でしょう。その上で、代理店や販売会社などの協力会社と顧客対応プロセスを共有・調整する能力が求められます。
クライアントは外資系企業のことも多く、円滑なコミュニケーションのためにも英語力があれば活躍の場も一層広がっていきます。また、IT関連の最新情報は英語で発信されるケースが圧倒的に多く、最新情報を把握するためにも、英語の読解力が求められます。ビジネスレベル、TOEICスコア800点前後を応募資格に挙げる企業が多いのも特徴的です。
英語力の他にも、問題を発見する能力、解決能力、コミュニケーション能力、文書作成能力などが求められます。また、CRMは、マーケティング、システム、データ分析といった様々な分野の専門知識が必要です。

顧客満足度を高め、重要顧客の獲得・維持を図る

CRMのミッションを成功へと導くためには、顧客生涯価値や顧客選別などの考え方に基づき、ターゲットごとにメリハリをつけたマーケティングを行い、顧客の満足度を高め、重要顧客の獲得・維持を図っていくことです。
(1)顧客データベースなどを構築して顧客情報を集め、顧客ニーズを把握する
(2)自社にとって重要な顧客を選別し、ランク付けする
(3)ターゲットにした顧客ニーズに対応する製品やサービスを提供し、顧客を獲得と維持を図る
(4)顧客を維持するための取り組みを行い、利益増収を目指す

様々な情報(Web、店舗、コールセンター、セールスなど)を蓄積・分析し、顧客ニーズに対応したサービス・商品をタイムリーに提供できるスキルが求められます。

(4)CRM(Customer Relationship Management) になるには?

CRMは特に資格などは必要ありません。IT情報の知見やマネジメントスキル、論理的思考、コミュニケーションスキルなど、コンサルタントとしての基本スキルがあると良いでしょう。
新卒であれば、コンサルティング会社や一般企業に入社し、ある程度社会人としての経験を積んでからCRMへステップアップしていくのが一般的なルートです。CRMと一言で言っても、その業務領域は多種多様。携わる案件によって、案件ごとの深い業務知識を求められるので、勉強熱心な人が向いています。

コンサルティング経験のある人が有利!

とは言え、若手であれば業務知識を問わない、というポテンシャル採用を実施している企業もあることはあります。ですが、専門領域の知識や経験が求められるため、新卒でいきなりCRMとして働けることは滅多にない状況であることも事実です。コンサルティング経験がある人や企画担当者といった立場での経験がある人材の中途採用がメインです。

(5)CRM(Customer Relationship Management) のやりがい

サービスの仕組み作りから携われる

顧客視点でサポートできて、結果が数字として見えるCRMの仕事は達成感もあります。CRMの面白さは、見えない顧客をどう獲得し、売上につなげていくのか?というビジネスの醍醐味を仕組み化できることでしょう。しかも、その方法論にはマニュアルは存在しません。
マーケティングやECサイト構築など、各社がそれぞれの方法でソリューションを提供しているのがCRM業界の現状です。そういう意味でも、オリジナリティ溢れるCRMソリューションを提供することは、社会的な意義も大きく、やりがいのある仕事だと言えます。

IT技術の革新的進歩で日々新しいソリューションが生まれる

CRMの世界は、Web技術の革新的な進歩で、日々新しいソリューションが生まれ続けています。そういった新しい技術についていくことはもちろん、自分自身がCRM業界をリードするような新しいオリジナルソリューションを作り出していけるマーケットが広がっていることもやりがいの1つになるはずです。

(6)CRM(Customer Relationship Management) の課題

企業ブランディングやマーケティング手法の向上をめざす

人間の行動を予測したり意図した方向に誘導して、利益へと繋いでいくCRM。そこには、心理学や統計、データ解析など、様々な要素が含まれています。
CRMは顧客の過去の実績から次の行動を判断するので、結果を計算しやすい手法である分、シビアな評価が下されます。CRMは「費用対効果が見えない!」と言われることも多々あり、その都度、方向性を変えるなどのやり方の見直しを図っていく必要があります。
CRMの効果が現れないとすれば、運用面や商品力など、CRM以外の問題から検証する必要性も出てきます。CRMには顧客を囲い込みリピート客を増やすことだけが目的ではなく、企業のブランディングやマーケティングROIの向上など企業成長させるための重要な目的も含まれています。

CRM導入後も継続的な評価が重要

CRM導入には、費用と時間がかかります。 多くの企業では、システム導入に全力を注いでしまい、一旦導入してしまえば、利用者任せということがあります。CRM導入後はユーザが求めるレベルも上がり、事業の成長とともに、必要な機能も増えていきます。
従って、CRMシステムは定期的にユーザのヒアリングや評価を行って、利用者ニーズと事業規模の成長に伴って、システム機能を拡張させていかなければなりません。また、CRM導入後うまく運用されていないために、諦めてしまって、CRM運用を辞めてしまうケースも見受けられるという現状も克服していかなければいけません。

広告・デジタルマーケティング・DX専門ハイクラス転職ならデジマージョブ