面接で聞かれる「長所」の答え方と具体例

新卒採用でも中途採用でも共通して聞かれる質問の一つに、「あなたの長所は何ですか?」という質問があります。「短所についてはすぐに話せるけど、長所について話す事は少し気後れしてしまう」という方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな「長所」に関して質問をされた時に、どのように答えるべきかを具体例を交えながらお話していきます。

「長所」をどう捉えるべきか

あなた自身、「長所はなんですか?」と聞かれ即答できますか?大抵の人は即答することは難しく、「う~ん」と考え込んでしまうと思います。更には、「自分には長所がない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、それは違います。長所は誰にでもあるのです。長所は何か?というよりは、どれを長所として言語化すれば良いだろうと考えるべきです。まず、その認識をすることが、長所を考える上では大事な事になります。

例えば、「あなたの短所はなんですか?」と聞かれたときに、「他人の意見に流されやすい」や「周りが見えなくなりやすい」と答えたとします。しかし、それは本当に短所でしょうか?前者は「協調性がある」という長所でもありますし、後者は「一つの物ごとに対する集中力が高い」とも捉えられます。

このように人それぞれ個性があり、その個性は短所でもあり長所でもあるのです。「長所」を捉える上で大切な事は、上述した「誰にでも長所はある」という点と、その長所を「誰に」「何を」「どう」話せば良いのかを整理する事になります。

面接官が「長所」を聞く意図は何か?

まず長所を考える前に、そもそも何故面接で長所を聞かれるのか。その意図について考えてみましょう。面接官が、「あなたの長所は何ですか?」と質問をして見極めたいことは、「客観性」と「思考の深掘り」の二点です。

まず「客観性」についてです。例えば、マンションを販売する不動産会社に、営業マンでの入社を希望していると仮定します。その際に、営業マンとして必要なスキルとは何でしょうか?挙げていくとキリがありませんが、「客観性」は必須なスキルになります。何故なら、自社の「マンション」という商品を、客観的に顧客の目線で見ることで、顧客に響くような営業トークが出来るからです。そこに主観的な目線が入っていれば、その営業トークは顧客には響きません。

つまり、客観的に物事を見るという事は、相手の立場になって考える事が出来るということです。逆に言うと、「あなたの長所は何ですか?」という回答が主観的であれば、相手の立場になって考える事が出来ないと評価されてしまいます。それは全てのビジネスにおいてマイナスになります。なぜなら、どの会社でどんな仕事をするにせよ、第三者(個人や法人のクライアントや社内の人間など)の存在があるからです。

続いて、「思考の深掘り」についてです。長所を表面的な意味合いで捉えてはいけません。深く思考した上での長所でないと、「考えが浅い」という評価になってしまいます。鍵となるのは「経験」であり、経験が繋がっていない長所には説得性がありません。例えば、「長所は何か?」という質問に対して、「協調性がある」という回答をしたとします。その回答を聞いた面接官は、当然「何故そう思うか?」という質問をしてくると思います。

その時に、実際の仕事やプライベートでの経験を交えて話が出来ないと、説得性に欠けますし、何をするにも浅い考えで行動すると思われてしまいます。そうなると、仕事を任せた時も深く考えずに行き当たりばったりな仕事しかしないという印象を与えてしまうのです。

「長所」についての回答①

とは言え、いきなり「長所を考えてください」と言われても、中々難しいと思います。そこで、一般的な回答例を紹介しますので、これを参考に自分なりの長所を考えてみましょう。注意点はこの具体例をそのまま活用するのではなく、自分の経験則で語れるかを意識して考えることです。

・どんな職種でも通用する「長所」
「協調性がある」「責任感が強い」「プラス思考」「誠実」「素直」「臨機応変さ」などが挙げられます。
注意点は、どんな職種でも通用するという事は、しっかりした経験則がないと響かないということです。

・営業職向けの「長所」
「フットワークが軽い」「行動力がある」「粘り強い」「競争意識が強い」「人見知りしない」などが挙げられます。ここでの注意点は、営業と言っても法人相手か個人相手か、売りモノは何か?によって長所となり得るかは違うという点です。例えば、「競争意識が強い」という長所を答えたとします。それは、単独でモノを売る場合には良いですが、チームで一つの高額な商品を売る場合には、あまり歓迎されない長所かもしれません。

・クリエーター職向け「長所」
「好奇心旺盛」「熱中できる」「独創性がある」「先入観を持たない」などが挙げられます。
ここでの注意点は、これらの長所に説得性を持たせるためには、他の職種よりも、より具体的な経験が必要になる点です。特にクリエーターは実際の成果物を求められます。その成果物が長所に沿ったモノでないと説得性がなくなります。

・事務職向けの「長所」
「整理整頓が得意」「計画性がある」「気が利く」などが挙げられます。
これはクリエーターとは逆で形がないものですので、経験と繋げて話す事が難しいというのが注意点です。もし、この長所を挙げるならば、事務職やそれに近い具体的な業務経験を話さないといけないでしょう。

「長所」についての回答②

上記の具体例を見て、自分の中の長所がぼんやりとでも分かってきたでしょうか。次に、この具体例から一歩踏み込み、「経験」を踏まえた上での回答例を紹介します。

・長所が「行動力がある」という人の回答例
私の長所は行動力がある点です。何か思いついたら、とにかくそれを形にするために行動します。例えば、今の課のミーティング方法は時間がかかり生産性が低いと感じたので、ファシリテーターを一人置く事を提案しました。そして、自らファシリテーターになりミーティングのやり方を変えてみました。今ではこの提案したやり方は会社としてのスタンダードになっています。

このように、具体的に何をしたか?というエピソードと繋げて話せるようにしましょう。転職者は、出来るだけ仕事面の出来事を経験則として語った方が良いでしょう。

「長所」の答え方

ある程度自分の中の長所を言語化出来たと思います。その後に考えるべきは、長所の答え方についてです。結論としては「堂々とした態度」で答えましょう。ありきたりな事ですが、実は非常に大事なことです。

何故なら、面接ではその人の話し方で受け手の印象はガラッと変わるからです。どうしても自分の長所を答える時は恥ずかしさが伴います。しかし、長所は自分の中で自信があることを言語化した回答ですので、他のどの回答よりも堂々と答えないと、受け手も「本当に長所と思って話しているのか?」と疑ってしまいます。

何を「長所」にするか

どんな長所を持っている人を採用したいかは、企業によって違います。例えば、サービス業であれば「行動力」や「コミュニケーション能力」が必要ですし、企画職ですと「独創性」や「やりきる力」などが必要になってきます。逆に言うと、事務職で「独創性」は歓迎されないでしょうし、クリエーター職で「常識的である」という点は歓迎されないでしょう。

つまり、志望している企業が何を求めているかをキチンと考える必要があるという事です。勿論、企業に合わせて自分の長所を作るのではありません。自分の持っている長所はどの企業に適しているか、どのように話せば説得力が増すかを考えるのが大切ということです。

「誰に」「何を」「どう」話すか
冒頭に、自分の長所について、「誰に」「何を」「どう」話せば良いのかを整理する事が大切と言いました。「誰に」とは、「どの企業に?」という事で、「何を」とは「自分のどの長所を?」という事です。そして、「どう」とは「どのような経験と繋げて」という意味になります。
今回お話した具体例を参考に、自分なりの長所を「誰に」「何を」「どう」話せば良い考えてみましょう。